個人再生とは

個人再生(こじんさいせい)とは、裁判所を通じて借金を大幅に減額(最大で5分の1程度)し、残った金額を原則3〜5年で分割返済する法的手続きです。自己破産と違い「免責」ではなく「減額・分割払い」による解決が基本となります。

住宅ローン特則とは何か

個人再生の大きな特徴のひとつが「住宅ローン特則(じゅうたくローンとくそく)」です。これは、住宅ローンだけは再生計画の対象から外し、これまでどおり返済を継続することで、マイホームを手放さずに済む制度です(民事再生法196条以下)。

住宅ローン特則を使うメリット

  • マイホームを手放さずに他の借金(カードローン・消費者金融など)を大幅減額できる
  • 住宅ローンの返済スケジュールを維持しながら、生活を立て直せる
  • 家族への影響を最小限に抑えられる

住宅ローン特則が使える条件

住宅ローン特則を利用するには、以下の条件をすべて満たす必要があります。

  1. 対象の住宅が自分(債務者)の居住用住宅であること
  2. 住宅ローンの債権者が住宅に抵当権を設定していること
  3. 住宅が住宅ローン以外の抵当権で担保されていないこと(他の借入れの担保になっていないこと)
  4. 住宅ローンの残高が住宅の現在価値を上回っている(オーバーローン)またはほぼ同額であること

個人再生における借金の減額ルール

住宅ローンを除いた借金は、以下の基準に基づいて減額されます。

借金総額(住宅ローン除く)最低弁済額の基準
100万円未満全額
100万円〜500万円100万円
500万円〜1,500万円借金総額の5分の1
1,500万円〜3,000万円300万円
3,000万円〜5,000万円借金総額の10分の1

※ただし、清算価値(所有資産の合計)がこれを上回る場合は、清算価値が最低弁済額となります。

手続きの流れ(概要)

  1. 弁護士・司法書士に相談・依頼
  2. 裁判所への申立て(書類準備に1〜2か月)
  3. 再生手続き開始決定(申立てから1〜2か月)
  4. 再生計画案の作成・提出
  5. 債権者の決議・裁判所の認可
  6. 再生計画に従った返済開始(3〜5年)

注意点:住宅ローンの滞納がある場合

住宅ローンを滞納している場合は「巻き戻し(ハーグ条項)」という制度を使い、滞納分を再生計画の中で分割して支払いながら特則を利用できるケースもあります。ただし状況によっては利用できない場合もあるため、必ず専門家に相談してください。

まとめ

個人再生の住宅ローン特則は、マイホームを守りながら借金問題を解決できる強力な制度です。ただし、条件が細かく手続きも複雑なため、弁護士への依頼が事実上必須といえます。早めに専門家に相談し、自分の状況に特則が使えるかどうか確認することが第一歩です。